産業医通信 2026年1月号

  • 2026年1月7日

毎月朋愛会より旬の情報をお届けいたします

Contents

●副鼻腔炎で咳が続くことがあります
●痔の原因と予防
●安全配慮義務とは

副鼻腔炎で咳が続くことがあります

副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こる病気です。
鼻水や鼻づまり、顔の重さや痛みが主な症状ですが、咳が続く原因になることもあります。これは、副鼻腔で作られた鼻水が喉の奥へ流れ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」によって喉が刺激されるためです。そのため、痰が絡むような咳が出たり、横になると咳が出やすくなったりし、夜間や朝方に症状が目立つことがあります。
副鼻腔炎には、風邪などをきっかけに起こる急性副鼻腔炎と、症状が3か月以上続く慢性副鼻腔炎があります。急性副鼻腔炎では、1~2週間ほどで症状が軽くなり、適切な治療を行えば多くは3~4週間程度で改善します。この時期には、軽度から中等度の発熱を伴うこともあります。一方、慢性副鼻腔炎では発熱はほとんどみられませんが、咳や鼻の症状が長引くことがあります。
咳のために眠りにくい状態が続く場合や、黄色や緑色の鼻水、発熱、顔の痛みを伴う場合は、早めに耳鼻科を受診すると良いでしょう。

山本 Dr.

痔の原因と予防

痔は肛門と肛門周辺にできる病気の総称で、成人の3人に1人が人生に一度は経験するといわれる程にありふれた病気です。主に俗称として知られるイボ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔ろう)に分類されます。
イボ痔(痔核)は肛門付近の血管が膨らむことで生じるもので、できる部位により更に内痔核と外痔核に分けられます。いわゆる痔のなかで約半数と最も多くを占めています。
切れ痔(裂肛)は、硬い便によって肛門が傷つくもので、女性に多い傾向があります。
あな痔(痔ろう)は、直腸と肛門のつなぎ目にあるくぼみに細菌が感染することにより肛門の周囲が化膿し、その後の膿が排出される過程で、肛門の内側と外側をつなぐトンネルのような管が生じたものです。
痔の主な原因として便秘、排便時のいきみ、長時間の座り込みなどがあります。日頃から水分や食物繊維の摂取、適度な運動を行うなど、腸の動きを促し便秘になりにくい生活習慣をつくりましょう。また、勤務時間中ずっと座り続けるなどの同じ姿勢が肛門周りの血流を悪くすることから、休憩時間には身体を動かすことで同じ姿勢を続けないことが痔の予防につながります。
痔の予防には、お尻への負担の原因を正しく把握し、お尻へ負担をかけない習慣をつくることが大切です。

松 Dr.

安全配慮義務とは

安全配慮義務とは、事業者が労働者の生命・身体の安全と健康を確保するために、必要な措置を講じる法的義務を指します。この義務は、労働契約法第5条において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定められており、あわせて労働安全衛生法の各規定を通じて具体化されています。
この義務は、事業者のみが単独で負うものではなく、安全衛生委員会、現場の管理職やリーダー、そして各労働者を含め、職場に関わるすべての立場が、それぞれの役割に応じて関与することで実効性が高まります。
安全配慮義務の内容は多岐にわたり、設備や作業環境の整備、過重労働やメンタルヘルス不調の予防、安全教育・訓練の実施、ハラスメント防止などが含まれます。事故や健康障害が発生した後の対応にとどまらず、リスクを予見し、未然に防止する姿勢が重要です。そのためには、現場からの気づきや意見を共有し、必要な改善を速やかに反映させる仕組みが求められます。
安全配慮義務を共通認識として持ち、日常業務の中で実践していくことが、働く人の安心と組織の持続的な発展を支える基盤となります。

額田 Dr.

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