産業医通信 2026年4月号
- 2026年4月3日
毎月朋愛会より旬の情報をお届けいたします
Contents
●高年齢労働者の安全衛生対策について
●黄砂が体に及ぼす影響とは?
●食事で守ろう歯の健康
高年齢労働者の安全衛生対策について
高年齢者とは、何歳以上に該当するかは法令などによりそれぞれ異なりますが、高年齢者等の雇用の安定に関する法では、高年齢者は55歳以上とされています。
わが国の人口構成の急速な高齢化は、労働者の高年齢化にも影響しており、現在雇用労働者全体の内、50代以上の労働者の割合は約3割を占めています。また、高年齢労働者における労働災害発生率は、若年労働者に比べて1.5倍以上高いことが報告されています。
事故内容に関しては、転倒による負傷が非常に多いことから、加齢に伴う視聴覚、平衡感覚や下肢筋力など、身体機能の低下が労働災害発生の要因として考えられています。平衡感覚や下肢機能に関しては、既存の健康診断での把握が難しいことから、厚生労働省の「エイジフレンドリーガイドライン」内で紹介されている「転倒等リスク評価セルフチェック票」の活用が望ましいものと考えます。
今年4月労働安全衛生法の改正により、高年齢者の労働災害防止対策が事業者の努力義務となります。「エイジフレンドリーガイドライン」に基づいて適切な健康管理を行うなど、高年齢労働者が、安全に働ける職場環境を実現するためのすみやかな取り組みが求められています。
松 Dr.
黄砂が体に及ぼす影響とは?
春先になると話題になる「黄砂」は、中国大陸の砂漠などで舞い上がった微細な砂が、偏西風に乗って日本まで運ばれてくる現象です。特に3~5月頃に多く観測されます。黄砂は単なる砂だけでなく、微生物や金属成分、大気汚染物質などを付着させて運ぶことがあり、健康への影響が指摘されています。
主な症状として、目や鼻、喉の刺激、咳、皮膚のかゆみなどのアレルギー様症状がみられることがあります。また、ぜんそくなどの慢性呼吸器疾患のある方では、症状が悪化することも報告されています。
対策としては、黄砂の飛来が多い日は不要不急の外出を控えること、外出時にはマスクや眼鏡を着用することが有効とされています。
帰宅後には手洗いや洗顔を行い、体や衣服についた黄砂を落とすことも大切です。また、洗濯物の外干しを控える、窓を閉めて室内への侵入を減らすといった生活上の工夫も有効です。
咳や息苦しさが続く場合、ぜんそく症状の悪化がみられる場合、目や皮膚の症状が強く日常生活に支障がある場合には、医療機関の受診を検討してください。
最も強く症状が出ている部位に応じて、呼吸器内科・眼科・皮膚科・アレルギー科などの受診が考えられます。
額田 Dr.
食事で守ろう歯の健康
お口の健康は、体の健康と深くつながっています。特に歯周病は、糖尿病や心臓病、慢性腎臓病、骨粗しょう症などの病気と関係があることが分かっています。お口の健康を守るうえで、毎日の「食事」はとても大切です。食事を見直して、健康な歯を守りましょう。
歯を強くするには、ミネラルやビタミンが大切です。カルシウムは歯や骨を丈夫にし、牛乳やひじき、豆腐に多く含まれます。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、キノコや卵黄、サンマに多く含まれます。さらに、ビタミンKは歯へのカルシウムの定着をサポートし、納豆やモロヘイヤ、小松菜がおすすめです。
砂糖は虫歯菌のえさになるため、間食はだらだら食べずに時間を決めて楽しみましょう。また甘いもの
はキシリトール入りに置き換えるのも良いでしょう。
食事の際はよく噛むことで唾液が増え、唾液の抗菌作用により虫歯や歯周病を防げます。歯みがきは、
1箇所につき20回を目安に、力を入れすぎず優しく磨きましょう。食後すぐに磨くのが理想ですが、難しい時はうがいをしたり、水を飲んだりするだけでも効果があります。
食事と習慣を少し意識するだけで、お口だけでなく、将来の体の健康にもつながります。
栄養科
産業医通信2026-4