産業医通信 2026年9月号

  • 2026年9月1日
  • 2026年8月27日

毎月朋愛会より旬の情報をお届けいたします

Contents

●高血圧の予防と対策
●復職に向けて必要な準備
●転倒災害

高血圧の予防と対策

血圧が高い状態が続くと、動脈硬化を引き起こし、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)や脳卒中(脳梗塞・脳出血)等につながります。
これらの命に関わる疾患への対策として、高血圧の予防が非常に大切です。
高血圧には、「本態性高血圧」と「二次性高血圧」があります。二次性高血圧は、病気が原因で高血圧が起きる病態ですが、高血圧の多くは本態性高血圧といわれており、塩分の過剰摂取や肥満、運動不足、ストレス、過度の飲酒、喫煙などの生活習慣や体質が関与しているといわれています。日本食は塩分を多くとりやすい傾向にあるため、減塩を意識した食事を心がけると良いでしょう。また、肥満は高血圧だけでなく、脂質異常症や糖尿病のリスクにもなります。適正体重を維持することで、様々な生活習慣病のリスクを下げることができます。生活習慣を改善し、高血圧の予防につなげましょう。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気づきにくい病気です。健診を受けたり、家庭血圧を測定したりして、自分の血圧を把握し、必要であれば循環器内科などの医療機関を受診してください。
治療を受けることにより、血圧を適正な範囲内にコントロールしましょう。

東本 Dr.

復職に向けて必要な準備

休職していた方が職場に戻るときには、症状が良くなっていることだけでなく、実際に仕事を続けられる状態まで回復しているかを確認することが大切です。
休職中は、疲れたときに休んだり、体調に合わせて活動量を調整したりできます。一方、復職すると、決まった時間に起きて通勤し、勤務時間中は仕事を続ける生活が毎日続きます。そのため、「普段の生活は問題なくできている」というだけでは、復職の準備が十分とは限りません。
復職前には、出勤に間に合う時間に起きられること、勤務する時間帯に安定して活動できること、通勤を含めて1日の仕事を続けられる体力があること、読書やパソコン作業などに一定時間集中できることなどが目安になります。また、こうした活動を続けても疲れが強く残らず、翌日も同じように活動できることも重要です。
復職で大切なのは、単に「職場に戻れるか」ではなく、「戻ったあとも安定して働き続けられるか」という視点です。そのため、復職前に生活リズムや体力、集中力などを少しずつ仕事に近い状態へ整えておくことが重要です。

山本 Dr.

転倒災害

休業4日以上の死傷災害において、令和6年度では転倒が全体の27%を占めており、最も多い割合となっています。転倒災害は特に加齢に伴って、労災発生率が高くなることが報告されており、高年齢労働者が増加傾向にある日本では、対策が急務となっている問題の1つです。高齢の方が転倒・骨折した場合、休業を要する日数は平均44日にものぼります。
転倒する要因は、主に『職場環境要因』と『被災者の要因』に分けられます。職場環境要因では、床が濡れている、床に凹凸があり躓きやすい、照明が暗く路面を確認しにくいなどが挙げられます。被災者側では、加齢に伴う筋力の低下、骨粗鬆症などが要因として多くなっています。
職場環境に関しましては、日々の職場巡視やヒヤリハット報告の収集などにより、安全衛生委員会などを通して改善に努めていただくことが望ましいと考えます。また、労働者の方々も自身の体力を過信することなく、安全行動を遵守し、日々の生活の中で無理のない筋力トレーニングに取り組んでいただくことが転倒防止に有効です。
参考資料として、厚生労働省がWEB上で、転倒防止の体操の動画を公開しています。
ご活用ください。

古谷Dr.

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