産業医通信 2026年10月号
- 2026年10月1日
- 2026年10月5日
毎月朋愛会より旬の情報をお届けいたします
Contents
●ストレスチェックの活かし方
●タンパク質の過剰摂取と体への影響
●災害時の食事、今からできる家庭備蓄
ストレスチェックの活かし方
ストレスチェックは、結果を確認して終わりにするのではなく、その後の取り組みに活かすことが大切です。まずは、自分自身のストレス状態に気づき、セルフケアにつなげることが基本です。
企業としては、部署などの集団ごとの結果を分析する「集団分析」も活用できます。集団分析では、仕事の量的負担やコントロール、上司・同僚からの支援などの項目から、職場のストレスの特徴を確認します。例えば、「仕事の負担が大きい」「周囲からの支援が少ない」といった傾向がないかを見ることで、職場の課題を考える手がかりになります。
ただし、事業場の規模によっては1つの集団の人数が少なく、分析結果から明確な傾向を読み取りにくいこともあります。その場合は、結果だけで判断するのではなく、残業時間や休業者数、日頃の職場の様子、従業員や管理職の声なども合わせて考えることが大切です。
改善にあたっては、必ずしも大きな取り組みが必要なわけではありません。会議の進め方を少し変える、情報共有の方法を見直す、困ったときに相談しやすい機会をつくるなど、職場でできる小さな改善を1つずつ積み重ねることが、働きやすい職場づくりにつながります。
実施した改善については、その効果を振り返り、次の取り組みに反映していきましょう。
ストレスチェックをきっかけとして職場の状況を把握し、改善・振り返りを繰り返すことが、ストレスチェックを職場づくりに活かすポイントです。
額田 Dr.
タンパク質の過剰摂取と体への影響
私たちの体には、数万種のタンパク質が存在しており、多様な働きをしています。具体的には、筋肉として体を動かすことや、栄養や酸素の運搬、あるいは体を守る免疫として機能しています。
タンパク質は、体には欠かせない栄養素です。そのため、厚生労働省が定める最新の食事摂取基準により、1日あたり成人男性は65g、成人女性は50gとることが推奨されています。タンパク質は摂取不足によって病気になりやすくなる一方で、過剰摂取が体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
過剰に摂取されたタンパク質は、その構成要素であるアミノ酸が体内で分解される過程で、有毒なアンモニアを産生します。アンモニアは肝臓で無毒な尿素となりますが、解毒機能を果たす肝臓には強い負担となりえます。また、動物性のタンパク質には、シュウ酸カルシウムの含有量が多いことから、過剰な摂取は尿路結石になりやすいことがよく知られています。
最近、筋力トレーニングで傷ついた筋肉のリカバリーのために、プロテイン飲料を推奨する宣伝をよく目にします。ですが、タンパク質の摂取量が1日100gを超えると、筋肉増強にはつながらないようですので、その点はご注意ください。
松 Dr.
災害時の食事、今からできる家庭備蓄
災害が発生すると、電気・ガス・水道などのライフラインが復旧するまでに1週間以上を要することがあります。特に災害発生直後は、パンやご飯、カップ麺など、手軽に食べられる炭水化物中心の食事に偏りがちです。食事が偏ると、必要な栄養素が不足し体調不良につながることもあります。
そのため、主食・主菜・副菜・嗜好品・飲料をそれぞれ備蓄することが大切です。
【おすすめの家庭備蓄食品】
●主食(炭水化物が豊富):パックご飯・カップ麺・乾パン
●主菜(たんぱく質が豊富):缶詰・レトルト食品(肉・魚)
●副菜(ミネラルやビタミン類が豊富):野菜ジュース・缶詰・乾物(切り干し大根・わかめ等)・
日持ちする野菜(ジャガイモ・玉ねぎ等)
●嗜好品:ドライフルーツ・大豆バー・プロテイン
●飲料:水・野菜ジュース
食品だけでなく「熱源」の確保も重要です。カセットコンロとカセットボンベを備えておけ
ば、お湯を沸かしたり、レトルト食品を温めたり、簡単な調理をすることができます。
災害時だからこそ、健康を維持するための「食」が大切です。いざという時に困らないよう、
普段の生活の中で少しずつ食品と熱源を備えておきましょう。
栄養科