産業医通信 2026年7月号

  • 2026年7月1日
  • 2026年6月29日

毎月朋愛会より旬の情報をお届けいたします

Contents

●熱中症対策
●職場における害虫対策
●その疲れ、本当に年齢のせいですか?

熱中症対策

気温や湿度が高くなる時期は、屋外作業だけでなく、屋内での業務中にも熱中症が発生する可能性があります。熱中症は重症化すると生命に関わることもあるため、一人ひとりが予防を意識することが大切です。
個人でできる対策として、のどの渇きを感じる前からこまめに水分補給を行いましょう。基本的に水による補給で十分ですが、大量に汗をかく場合には塩分も適切に補給することが重要です。また、十分な睡眠や規則正しい食事は、暑さに負けない体づくりにつながります。体調不良や寝不足の日は熱中症のリスクが高まるため、無理をせず体調管理に努めてください。日頃から適度な運動などで汗をかく習慣をつけ、暑さに身体を慣らしておくことも予防に役立ちます。
会社においても、空調設備の適切な運用、涼しい休憩場所の確保、飲料水の準備など、熱中症予防のための取り組みが重要です。特に暑熱環境で作業を行う場合は、定期的な休憩の確保や作業負荷の調整がリスク低減につながります。
熱中症は真夏だけでなく、身体が暑さに慣れていない初夏の時期から発生します。めまい、立ちくらみ、頭痛、強い疲労感、吐き気などの症状が現れた場合は、速やかに涼しい場所へ移動し、水分・塩分を補給してください。十分に休息を取っても改善しない場合は、医療機関への受診を検討しましょう。また、熱中症が疑われる方を一人にせず、周囲で見守りながら対応することも重要です。
職場全体で熱中症予防に取り組み、安全で健康な夏を過ごしましょう。

額田 Dr.

職場における害虫対策

害虫とは有害な作用をもたらす虫であり、害虫の加害対象により衛生害虫・農業害虫・文化財害虫などに分類されます。
ヒトを加害対象とする衛生害虫は、蚊やダニなど病気を媒介する媒介害虫、蜂など人体を刺したり接触による皮膚炎など実害をもたらす有害害虫、また、ゴキブリやカメムシなど心理的に不快感を与える不快害虫に細分類されます。
職場での害虫対策は、主に衛生害虫の侵入防止や繁殖を抑えるような環境整備が基本となります。ゴキブリを例に挙げますと、数センチ大の成虫が5ミリの隙間に侵入可能とされていますので、侵入口となる換気扇や通気口へのフィルターの装着、およびエアコンダクト周囲の隙間を埋める必要があります。また、段ボール箱に付着した状態で侵入することもあります。侵入後は保温性のある段ボール箱を隠れ家に越冬、繁殖することもありますので、不要な段ボール箱は早めに処分することが推奨されています。
労働安全衛生規則により半年に1回、大掃除を行う義務があります。大掃除には害虫の調査、防除も含まれています。事業者においては、大掃除の実施などにより清潔な職場環境を維持することが求められています。

松 Dr.

その疲れ、本当に年齢のせいですか?

「最近疲れやすくなった」「集中力が続かない」そんな不調を年齢のせいだとあきらめていないでしょうか。実はその疲れは加齢だけでなく、生活習慣や体調の変化が関係しているかもしれません。
まず多いのが睡眠不足です。十分な睡眠がとれていないと、脳や身体の回復が不十分となり、日中の眠気や集中力低下につながります。
睡眠時間には個人差がありますが、多くの成人では7~8時間程度が心身の健康維持に役立つとされています。
次に見逃せないのが鉄不足です。鉄は全身に酸素を運ぶために欠かせない栄養素で、不足すると貧血だけでなく、その前段階でも疲労感や集中力低下を招くことがあります。特に女性は注意が必要です。
また、運動不足も原因の1つです。身体を動かさない生活が続くと体力や筋力が低下し、少しの活動でも疲れやすくなります。さらに夏場は脱水にも注意が必要です。軽い脱水でも倦怠感や集中力低下を招きます。
疲れは「年齢だから仕方ない」と片づけるべき症状ではありません。まずは睡眠、食事、運動、水分摂取などの生活習慣を見直し、あわせて健診結果も振り返ってみましょう。
改善しても疲労感が続く場合は、医療機関への相談をお勧めします。

赤澤 Dr.

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